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岡本 芳浩; 大杉 武史; 赤堀 光雄; 小林 徹; 塩飽 秀啓
Journal of Molecular Liquids, 232, p.285 - 289, 2017/04
被引用回数:3 パーセンタイル:12.21(Chemistry, Physical)高温溶融スラグ(SiO-CaO-FeO-CeO)中のセリウムの化学状態について調べるために、セリウムK吸収端を使用した高エネルギーXAFS測定を実施した。EXAFS解析から得られたCe-O距離の変化から、セリウムの化学状態は、溶融状態では4価、固体状態では3価をとっていることが分かった。室温におけるデバイワーラー因子は非常に大きく、その値は高温溶融状態でもその変化量は大変小さかった。この結果は、セリウム元素が固体スラグ中で極めて構造秩序が低く、かつ安定な状態にあることを示唆している。
中島 幹雄; 中塩 信行; 亀尾 裕; 福井 寿樹*; 磯部 元康*; 大竹 敦志*; 涌井 拓治*; 平林 孝圀*
Radiochimica Acta, 91(1), p.45 - 51, 2003/01
被引用回数:2 パーセンタイル:19(Chemistry, Inorganic & Nuclear)非移行型プラズマトーチを用いて、CsとCoを含む模擬非金属雑固体廃棄物を溶融し、溶融固化体中のCs及びCo残存率に及ぼす塩基度とFeO濃度の効果を調べた。AlO,CaO,FeO,SiOを主成分とする溶融固化体中のCo残存率は、溶融固化体の化学組成に依存せずほぼ一定であった。一方Cs残存率は溶融固化体の塩基度の増加に従って減少したが、FeO濃度には依存しないことがわかった。また、メスバウアースペクトル測定により、溶融固化体中のFeイオンはSiOの三次元網目構造中で網目修飾イオンとして存在することが確かめられた。その結果、SiOガラスの構造モデルに基づく考察から、同じ網目修飾イオンであるCaとFeが、非架橋酸素と結合してつくる網目間構造の違いがCs残存率に影響を及ぼしているものと推論した。
中村 寿; 中島 幹雄
JAERI-Tech 2002-006, 58 Pages, 2002/03
原子力施設内での限定再利用を想定して、解体廃棄物を用いた再利用製品の製造と利用により作業者が受ける被ばく線量を評価した。その結果、Co-60の放射能濃度がクリアランスレベルよりも2桁高い汚染金属を再利用した場合でも金型鋳鉄複合容器、スラグ受け容器、ドラム缶補強材の1体あたりの製造に関する被ばく線量が数Sv数十Svの範囲にあることがわかった。また、金型鋳鉄複合容器を利用した多重鋳造廃棄体の鋳造では、放射能濃度が最大37MBq/gの廃棄物を処分する場合でも、廃棄体の取り扱いに支障がないように重量を20t程度に抑え、放射性輸送物の運搬にかかわる線量当量率の基準を満足させられることがわかった。以上の結果より、放射線被ばくの観点からは、放射性の金属廃棄物を廃棄物管理のための製品に再利用することが可能であると考えられる。
中村 寿; 藤木 和男
Nuclear Technology, 117(2), p.195 - 205, 1997/02
被引用回数:8 パーセンタイル:56.36(Nuclear Science & Technology)原子炉等の廃止措置に伴い、放射能レベルの低い金属廃棄物が大量に発生するために、これらの有効利用及び処分費用の低減の観点から、廃棄物の再利用が先進諸国において重要となっている。本報は、金属廃棄物の再利用に必要な溶融プロセスに関して、放射性核種の溶融生成物への分配割合、分配割合に及ぼす種々の因子の影響など、原研で実施してきた放射性金属溶融造塊試験の結果を総合的にまとめたものである。特に本報では、核種の分配割合に及ぼすスラグ成分の影響、試験装置の汚染状況等を検討し、既報の結果と合わせて核種毎の分配メカニズムを考察した。主要な結論は、1)放射性核種の分配割合は元素の揮発性、酸素との親和性に支配される、2)スラグの塩基度が減少するにつれ、Cs-137等一部の核種はスラグへの分配割合が増加する、3)鋳塊中の放射性核種の濃度は均一である、等である。
中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(9), p.868 - 879, 1995/09
被引用回数:4 パーセンタイル:43.23(Nuclear Science & Technology)LOCA時の1次系内冷却材分布は、水平配管内の流動様式に依存する。特に、波状流からスラグ流への遷移は、界面波が気送流れを塞ぐ液スラグに成長する結果生じ、界面摩擦や流路の圧力損失の増加を伴うため、その予測は重要である。ところが、スラグ流遷移の予測には、波状流での水位予測が必要であるものの、予測に必要な気液界面摩擦係数は、スラグ流遷移時のような液深の深い波状流(ボイド率~0.6)でのデータや予測式が大変少なく、壁摩擦係数などで代用されることが多い。そこで、TPTF装置の水平円管テスト部(直径87及び180mm)を用いた、高圧(3-9MPa)の水/蒸気二相流実験を行い、スラグ流遷移境界近傍の波状流について調べ、界面摩擦係数を与える実験式を求めた。実験式はKelvin-Helmholtzの界面不安定性理論に基づくパラメータで構成され、TPTF実験結果での配管口径及び圧力依存性をよく表すことができる。
中村 寿; 金沢 勝雄; 藤木 和男
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 4, 0, p.1785 - 1789, 1995/00
原子炉施設の廃止措置時に発生する放射性金属廃棄物の再利用を想定し、模擬廃棄物およびJPDRの解体金属廃棄物を用いた溶融試験を行って溶融処理に伴う代表的な汚染核種の移行挙動の把握を行った。主な試験パラメータは溶融鋼材の材質、造さい剤の塩基度、模擬廃棄物の投入時期である。鋼塊、スラグ、排ガス等から採取した試料の放射能測定に基づくと、Co-60、Ni-63、Mn-54およびZn-65の大部分は鋼塊に、Sr-85はスラグに、Cs-137はスラグおよび排ガスの両方に移行、分配される結果を得た。この結果は各元素の物理的・熱力学的性質から理解できるが、特に元素の揮発性、酸素との親和性等が移行挙動に関して重要な指標となることが分かった。本報は、溶融試験の概要、試験方法、溶融時の放射性核種の挙動、移行挙動に及ぼす試験パラメータの影響などについて記述したものである。
中村 寿; 金沢 勝雄; 佐藤 孝幸; 山手 一記; 藤木 和男
Proc., SPECTRUM 94,Nuclear and Hazardous Waste Management Int. Topical Meeting,Vol. 1, 0, p.206 - 210, 1994/00
金属廃棄物の合理的な処理・処分として再利用が考えられている。この再利用プロセスとして、溶融処理は必要かつ重要なプロセスである。このため、金属廃棄物に含まれる放射性核種の溶融・造塊時の挙動を把握することを目的に、JPDRの金属廃棄物及びRIによる模擬廃棄物を用いて溶融試験を行った。この結果、Mn-54、Co-60、Zn-65の大部分は鋼塊中に残留するが、Sr-85及びCs-135はスラグあるいは排ガス中へ移行することが分かった。これらの核種の分配割合は、各々の核種の酸化あるいは蒸発のし易さを考慮することで定性的に説明できる。溶融処理により得られた鋼塊中の放射能濃度はほぼ均一で、模擬廃棄物とJPDRの廃棄物の溶融結果とはCo-60に関してよい一致を示した。本報告は、金属廃棄物を溶融した場合の放射性核種の移行挙動に関し、基礎的な研究結果を述べたものである。
中村 寿; 藤木 和男
Technology and Programs for Radioactive Waste Management and Environmental Restoration,Vol. 2, p.1683 - 1686, 1993/00
放射性金属を溶融・造塊した場合における放射性核種の移行挙動を調べることを目的に、JPDRの解体金属廃棄物の一部および軽水炉の解体で予想される代表的な汚染核種を模擬したRIトレーサ(Mn-54,Co-60,Zn-65,Sr-85,Cs-137)を用いて、溶融試験を行った。試験では、鋼材の溶解温度とスラグの塩基度を試験パラメータとし、溶融により生成した鋼塊、スラグ、排ガス等の放射能測定から、核種毎の生成物中への移行挙動を調べた。この結果、使用した核種の移行挙動はその大部分が鋼塊中に留まる核種(Mn-54,Co-60,Zn-65)と、鋼塊には留まることなくスラグあるいは排ガス中へ移行する核種(Sr-85,Cs-137)とに大別できること等が分かった。本報は、現在進行中のこの試験に関して、これまでの結果を述べたものである。
古川 和男; 大野 英雄
Trans.JIM, 19(19), p.553 - 561, 1978/00
アルカリとフルオロベリリウム酸塩またはアルカリ土類珪酸塩のようなAX-BX型イオン性液体において、次のような条件下で相応状態原理が成立することが証明された。〔A〕物質対(i)LiF-BeFとMgO-SiO,(ii)NaF-BeFとCaO-SiO,(iii)KF-BeFとBaO-SiOの間、〔B〕AXが30~70mole%の組成領域、〔C〕(i)に対し2.85、(ii)(iii)に対し2.80で還元した絶対温度軸において。この相応状態においては、(1)イオン充填密度、(2)粘性係数、(3)当量電導度が実験誤差内で同一値をもつことが確認できた。溶融フルオロベリリウム酸塩に対する実験的研究は、それが低融点でしかもNi合金などの容器が使えることから、溶融珪酸塩に対する実験よりもはるかに容易である。溶融フルオロベリリウム酸塩の学問的理解の向上は、溶融フルオロベリリウム酸塩のみでなく、溶融珪酸塩の関連する科学技術進歩に重要な貢献をなしうるであろう。
古川 和男; 大野 英雄
材料科学, 14(6), p.302 - 309, 1977/06
溶融塩技術は近年着実な発展をとげつつあるが、中でもLiF-BeF形を中心とするFlibe技術は、特に興味ある位置を占めている。したがって、この系の基本的な構造および物性値について紹介しつつ、またその広い応用面の解説をも行ったものである。その構造、物性の理解には、それが融体でMgO-SiOと定量的に相応状態を形成することを利用すると有効である。これは、今後より深い溶融スラグの研究に、Flibeが大いに役立つことを意味する。また、溶融塩増殖炉の燃料媒体としての応用は、その優れた実用性から一層注目されてきている。されにそれは、トリチウム生産炉、アクチノイド溶融塩高速炉、およびDT核融合炉ブランケット工学へと広く関連しており、基礎研究と応用研究の多角的相関を示す良い例といえよう。これらを契機として、一層溶融塩技術が成熟してゆくことが期待される。
古川 和男; 大野 英雄
日本金属学会誌, 41(5), p.450 - 457, 1977/05
アルカリフルオロベリリウム酸塩またはアルカリ土類酸塩のようなAX-BX型イオン性液体において、次のような条件下で相応状態原理が成立することが証明された。[A]物質対(i)CiF-BeFとMgO-SiO,(ii)NaF-BeFとCaO-SiO(iii)KF-BeFとBaO-SiOの間、[B]AXが30~70mole%の組成領域、[C](i)に対し2.85、(ii)(iii)に対し2.80で還元した絶対温度軸において。この相応状態においては、(1)イオン充填密度、(2)粘性係数、(3)当量電動度が実験誤差内で同一値をもつことが確認できた。溶融フルオロベリリウム酸塩に対する実験的研究は、それが低融点でNi合金(Hastelloy N)などの容器がつかえることから、溶融珪酸塩に対する実験よりもはるかに容易である。溶融フルオロベリリウム酸塩のみでなく、溶融珪酸塩の関連する科学技術進歩に決定的貢献をなしうるであろう。
古川 和男
金属物理セミナー, 2(3), p.177 - 184, 1977/03
溶融塩技術は、液体金属技術と比べても材料共存性、科学的安定性などのほかに、その特性が古典的理論でよく推測できるところに大きな利点をもっているといえるであろう。また、その応用例として、すでに知られているMSBRのほかに、新しく考えているものとして、Acinoide専焼炉としての溶融塩高速炉の提案、トリチウム生産炉としての改造MSBR、核融合炉ブランケットへの応用、LiF-BeF系溶融塩の溶融珪酸塩構造・物性研究への応用、そして、飛行船用エンジンとしての利用などを語ってある。
古川 和男
第42回西山記念技術講座(日本鉄鋼協会), 42, p.1 - 26, 1976/00
液体構造物研究を技術現場に役立たせるためには、まず「液体構造」という言葉が「結晶構造」などの言葉によって意味されるものと極めて異なることを知らねばならない。その点を具体的に溶鉄および溶融アルカリ珪酸塩の構造解析の最近の成果を批判しつつ明らかにした。「液体構造」を知るには、もっと総合的な研究計画が必要である。 複雑な溶融スラグの本質にせまるためには、構造と物性両面につき立入った体系的実験が必要であるが、実験上の困難を克服する一方法として、我々が発見した新提案を行った。それは溶融アルカリ・フッ化ベリリウム酸塩を定量的相応物質として利用することである。これにより、1450C~2700Cの実験が350C~800Cで代行され、容器はNi合金で充分である。高圧の定容実験データも集積しうるので、研究の促進に決定的な影響を及ぼしうるであろう。